農業所得者の確定申告~農機具の貸付~

農業所得者が所有しているコンバインや草刈機などの農機具を、他の農家の方や農業法人等に貸付をした場合において確定申告における処理について、税法上の取り扱いを確認したいと思います。

 

まず、所得税法基本通達の35-2(一部抜粋)において、以下の通り規定されています。

「次に掲げるような所得は、事業から生じたと認められるものを除き、雑所得に該当する。(平元直所3-14、直法6-9、直資3-8改正)

(1) 動産(法第26条第1項《不動産所得》に規定する船舶及び航空機を除く。)の貸付けによる所得」

 

そのため、事業所得に該当する場合を除いては、雑所得として取り扱うことが原則となります。


では、「事業から生じたと認められるものを除き」とされている通り、事業所得に該当しない場合は、雑所得に該当するということになります。

そのため、対価を得て継続的に行っており、事業所得として認められるような状況が存在する場合には、事業所得にすることができるということです。

ただし、この事業所得に該当するかどうかは、明確な税法上の基準がありませんので、過去の判例なども参考に慎重に判断する必要がありますので、ご注意ください。

 

なお、所得税保基本通達の27-5(一部抜粋)において、

「事業所得を生ずべき事業の遂行に付随して生じた次に掲げるような収入は、事業所得の金額の計算上総収入金額に算入する。」

とされておりますので、農業所得が存在する農家の方が、事業の遂行に付随して、農機具の貸付を行っているような場合には、事業所得の付随収入として事業所得の収入金額に計上することができます。

 

 

以上の通り、農機具の貸付については慎重に判断する必要がありますので、農業所得のある農家の方は、十分注意して確定申告を行いましょう。